大きくする 標準 小さくする

白いホテル

2016/05/15

★白いホテル
体験者:アンチホテル派さん
 
本当に体験した不思議な出来事をお話いたします。
そのころ私は、小さな車関係のメーカーの営業マンとして、名古屋から確か3日間程の関西出張と言う形で、大阪での仕事を終え岸和田市の中心部にある10階建て以上はある白いビジネスホテルに宿泊の予約を何日も前に取り付けていました
(あえて、ホテルの名前は営業妨害と言われても面倒ですから控えます)。

大阪での仕事が思いのほか遅くなり、そのホテルに到着したのはもう11時を過ぎていたかと思います。
そのホテルを選んだのは翌日が和歌山市での勤務だった為だったんですが、ロビーに着いて部屋の確認を取ろうとしたら、何とフロントマンが言うには、予約が入っていない、しかも空き部屋が一つも無いと言う事・・・。
夜も遅いし他のホテルをあたるのも疲れているし困惑していると、何やらもう一人いたフロントマンとヒソヒソやって、
「あのー、一部屋だけ実は空いているのですが、和室なんですけどよろしいですかー」とのこと。
その言葉を聞いて、もちろん私は即決OK。

そして通された部屋は、2階にある6畳2間程にテレビと電話が片隅にあり、古い木製の鏡の付いた化粧台が何気なく置いてあるだけだったが、トイレとバスも付いており、何で初めから案内してくれなかったのかと少し腹ただしく思いながら、コンビニで買った弁当にぱくつき、普通に風呂にも入り床につく事にしました。
ただ、ちょっと気になったのは、テレビや化粧台などにうっすらとホコリがかかっていたのと、テレビのコンセントが抜いてあったこと、そして床につく為の布団はフロントマンが他の部屋から持ち込んだ事。
つまり、普段は使われていない部屋という事。
しかし、まあ、あまり深いことは考えず体も疲れていたので、すぐ眠りについてしまいました。

そして・・・、その時がやってきたのです。
深い眠りについていた筈だが、突然体がグラグラと揺れだす。
「あっ、地震だ!」飛び起きたのは言うまでも無い。
揺れは同時に収まり、すぐ照明を付け、あたりの雰囲気を観察するものの、何も無かったかのように、しーんと静まり返っているではないか。
時計を見たら午前3時半を少し回ったところ。
何となく嫌な雰囲気は感じましたが、疲れているから自分の勘違いかなと思い照明をまた消して眠ることにしました。
そして、またすぐに深い眠りに入ったと思います。

しかし・・・、恐らく30分もたっていないうちに、またその時がやってきてしまった。
またもや、さっきのそれよりもはるかに強い揺れ、そして今度はおまけに、髪の毛の一部がきりきりと引っ張られているではないか。
目を開けるのも恐怖でしたが、私は殆どパニック状態でやっとのこと照明を点けることができました
(照明は直接ひもが出ているやつだったので起き上がって引張るだけだけ)。
そして、明るくなった部屋で恐々薄目を凝らしてみると化粧台の鏡にたまたま自分の姿が映り、私はそこで再び、恐怖に青ざめることになってしまったのです。
何と、引張られていた髪の毛のその場所だけ、はっきりと突っ立ているではないか。
完全に引張られた形跡があるということ。
言うまでもありません。
もう眠る訳には行かず(眠れる訳がない)、かといって小心者の私にはフロントにこのようなことで電話をする勇気も無く、結局照明は点けっぱなし、テレビもつけたままで呆然と朝を迎えることとなりました・・・。
腫れた、目をこすりながら、こんな所からとっとと退散したい一心の私は、6時にはチェックアウトでフロントにて清算を済ませておりました。
しかし、またそこで極めつけの言葉を耳にするとは思いもよりませんでした。
対応したフロントマンが帰ろうとする私に一言。顔をしみじみと下からのぞみ込むようにして「昨日の夜、眠れましたかー?」・・・。
おいっ、お前何か知ってたなら、最初から言えっ!!
でも、最初から聞いてたら私はどうしてたんでしょうね・・・。
皆さんも「一部屋だけ空いてる」って言われたら、気をつけた方が良いですよ。
 
たきおんコメント

不幸中の幸いというか、よくそれだけで済んだなというのが正直な感想。
人によったら、もっと凄い体験をしてしまったのではないだろうか。

 

コメント

名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード:

トラックバック一覧