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巨大海獣

2013/01/13

●メキシコの海獣

1969年初め、メキシコ湾岸のパルマール・デ・スサーナで、奇妙な死骸が発見された。
 ある晩、数人の農民達が海岸で何やら巨大なものを見つけた。
 しかし、もう辺りが暗かった事もあって、彼らは近づいて調べようとはせず、そのまま一週間もの間、それは放置された。
 ところが、農民達がようやくそれに近づき、テコルートラの町長セサール・ゲレーロに知らせたところ、町長は救助隊を組織した。
 彼は、この怪物の正体を不時着した航空機だと思い込んでいたのだ。
 しかし場で見たものは、砂に埋もれかかった肉片、ボリュームのある骨、大きな眼窩を持つ正体不明の動物の頭の部分だった。
 骨は斧で切断されたような切り口に見えた。
 自力で運べないと判断した救助隊が街に応援を求めた事がきっかけで、モンスター発見のニュースが町中に広がり、見物人が続々と押し寄せてきた。
 中には怪物の一部を持ち帰ったりする人もいたが、当局に回収され、動物の種類を特定する作業に取り掛かった。

  • 体長22m
  • 幅6m
  • 体重24t
  • 羊毛のような皮膚
  • 頭の重さは1t
  • 頭の幅は6.5m
  • 頭の高さ50Cm
  • 大きな二つの眼窩
  • 二つの角(片方しか発見できず)
  • 600Kgのくちばし
  • くちばしの長さ3.5m


 この情報を総合しても、一体なんの動物なのか見当もつかなかったため、ゲレーロ市長は生物学者の手を借りる事にした。
 生物学者数名は、三日間かけて動物の種類の特定に挑んだが、結局わからずじまいだった。
 ついには「カリフォルニアの生物研究所がこの動物の残骸を引き取りたがっている」という噂も流れ、そこの学者達が立てた仮説は「先史時代の生き残りで、メキシコ湾流によってベラクルスに運ばれた」というものだった。
 このニュースは、「ワシントン・ポスト」誌を始め、多くの研究者達の関心を集めた。
 しかし時が流れるに連れ、研究者達が発表したデータは、初めに出されたものと食い違ってくる。
 「クジラだ」と結論付ける者もいた。
 そこで、メキシコのベラクルス大学のR・A・ララ・パメロス博士が調査に乗り出した。
 しかし現地で当時の様子を知る者はもう殆ど居らず、当時の記録も文書整理で処分されてしまっていたのだった。
 博士は、メキシコ・シティーの国立大学に行って、当時調査に当たった哺乳類学者のベルナード・ビージャに会おうとしたが、会見は叶わなかった。
 しかし、その関係者と接触し事件の詳細を知った。
 彼らの結論は、巨大シロナガスクジラの一種で「ロルケル・ルドルフィ」ではないかというものだった。
 だが、もしあれがクジラだったなら、突然変異の産物としか考えられない、という意見もあったようだ。
 海にもまだ、我々の知らない楽園が隠されているのだろうか。
 

●イギリス、プラ・サンズの死骸

 1928年4月、イギリス西南部コーンウォール地方の海岸プラ・サンズに、海獣の死骸が打ち上げられた。
 発見者で撮影者のG・ラングレー夫人によれば、海獣の体長は約9m、全身が体毛に覆われていた。
 頭部がちぎれてなくなっており、ヘビのような首も、胴体からちぎれかけてくっついていたという。
 当時の目撃者達は「船のスクリューに巻き込まれたのではないか」と考えていたらしい。
 その切断面からは、脊椎の一部であろう円盤状の骨が見てとれた。
 近年になって、写真から得られたデータから一部の専門家達は「ウバザメ」の可能性が高いと評している。
 こうした生物の死骸は、こう結論付けられる事が極めて多い。
 しかし、「体毛」が確認されている以上、それはサメでは有り得ないのだ。
 つまり、体毛があるという事は哺乳類である可能性が高いという事だからだ。
 また、クジラである可能性も低い。
 哺乳類であるクジラでさえ、体毛を持った種類はいないのだ。
 また、アザラシだとしても大きすぎる。
 だが残念な事に、専門家による詳しい検証がなされなかったため、データが何一つ残されていない。
 

●フランス・カーキービルの漂着死体

 1934年2月28日の午後、フランス・シェルブールの西方約3.2Kmにあるカーキービルで、漁師が浜辺で見慣れない生物の死骸を発見した。

  • 全長7.5m
  • 厚みは約1.5m
  • 首の長さ90Cm
  • ラクダに似た頭部
  • 胸部には水平方向についたヒレが一組
  • 背ビレと尾ビレがあった
  • かなり腐敗していた

 この死骸に詳しい検証を加えたパリ自然史博物館のジョルジュ・ペティが、現地で興味深い証言を入手している。
 この事件に先駆けて、1月25か26日の午後、沖合いで操業していた漁師が、船から150m程離れた場所をかなりのスピードで進んでいく、怪生物の姿を目撃していたのだ。
 この漁師は、怪生物が水面から頭を持ち上げるところも目撃しているが、「頭は馬の頭部にそっくりで、首の部分はラクダそっくりだった」と語っている。
 それまでペティは、ウバザメ説を主張していたが、一転して「漁師の見た怪生物の死骸である可能性も否定できない」と述べている。
 1951年2月にも、フランスのヘンダイの浜辺で怪生物の死骸がが打ち上げられた。
 一見したところ有史以前の海生竜を彷彿とさせた。

  • 体長4.8m
  • カメのような頭に日本の触覚が生えている
  • 首はプレシオサウルスのように長かった
  • 茶色の胴体は卵型に膨らんでいた
  • 四肢はカメかアザラシそっくり

 しかし例に漏れず、職業学者達の手によって「ウバザメの死骸」と結論付けられている。
 

●イギリス・ベンベキューラの海獣

 1990年イギリス・ヘブライズのベンベキューラの海岸でも同じような発見があった。
 発見者はルイーズ・ウィッツという女性である。
 彼女によると、死骸の状況は以下のようなものだった。

  • 全長約3.6m
  • 背中に恐竜のようなヒレがあった
  • 悪臭を放っていた

 当時16才だった彼女は、ただの海洋生物の死骸だと思い、専門家にも話さず、写真に撮った事も内緒にしていたのだ。
 しかし1996年になって、一人暮らしを始める事になった彼女は、引越しの際に当時撮った写真を発見した。
 そこで、ニューカッスルにある「ハンコック博物館」に持ち込み、1996年8月21日に貴重な写真が展示される事になった。
 「様々な学者にこの写真を見せたのですが、ここに写っている物体がなんであるか、誰も解りませんでした」とコールズ館長は語っていたという。

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