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恐竜土偶

2009/11/15

●恐竜土偶が存在する


メキシコ・アカンバロ市の市役所裏手の倉庫内には、三万数千点にも及ぶ恐竜土偶が存在する。
古代に恐竜を模した土偶があるとすれば、それは人類と恐竜の共存を示すのだ。

●事の起こり


1945年7月、「ブル・マウンテン」麓でドイツ人実業家のヴァルデマール・ユルスルートが破片を発見した。
以降7年間、ヴァルデマールは付近をくまなく掘り返し、恐竜土偶を収集した。
しかし、彼が学会に「マヤ・インカ文明アトランティス起源」説を持ち出したのが災いし、完全に拒否されてしまったのだ。   
恐竜土偶のモチーフには、ティラノサウルス、プレシオサウルス、ステゴサウルス、プテラノドン、猿人、ヒトコブラクダ、サイ、リャマ、象、馬、犬、鳥、猿、アルマジロなどの生物や、神話的な創作物のようなもの、生活用品などがあった。
大半のものは粘土細工や焼き物だが、中には花崗岩やヒスイ・黒曜石などの石彫りもあった。
大きさも5センチ~1メートル以上と多岐にわたっている。
デザインも各種古代文明との共通性が見られる。
人物像も多数あり、驚いた事に各人種的特徴を持つものさえあるのだ。(国際的?)

●科学的な検証


外人では唯一チャールズ・ハプグット教授が友人の小説家であり弁護士でもあるE・S・ガードナー助けを借りて、徹底的に現場検証を行った。
ヴァルデマールが土偶を金に替えたことの無いという人格や、土偶の多様性からみてもイカサマは不可能だった。
イカサマ製作に必要なカマドも燃料も存在しなかった事を立証した。
ハプグットはこういう実験も行った。
騒動が始まる以前から建っている地元の警察署長の自宅の床下を掘ったところ、同種の土偶が43点も発掘されたのだ。
また、土偶の年代測定も行った結果、紀元前1110~4530年のものである事が判明した。
最古の文明であるシュメールよりも古い年代のものが存在したということは驚くべき事である。
ハプグッドはこれらの結果を踏まえて、「紀元前2500年以前、アカンバロには”始原文化”が栄え、恐らく同時期の他文明とも何らかの接触があった」という仮設を立てた。
この仮説は、それまで否定の根拠とされた4つの事実をうまくフォローしている。

  1. 考古学史上類を見ないほどの、完成品の大量発掘
  2. デザイン様式が既知の古代文化と一致しない
  3. 地中に長く埋もれていた場合に見られる土中塩分の付着が見られない
  4. その存在自体が考古学の常識に当てはまらない

1は彼らが神聖な遺産をスペイン人の略奪から隠蔽したものだ。
2は諸文化より数千年前に存在していた”始原文化”なら納得がいく。
3は地中の場合で、太古の湖岸の砂地であれば関係無い。
4は神聖動物のドラゴンを崇めていたか、生き残りの恐竜を目撃していたのかもしれない。  

●その他周辺の状況


アカンバロは乾燥地帯だが、深い侵食の跡が残されており、氷河期終結後からかなりの期間、谷間に湖や大森林があったことが認められつつある。
またメキシコの西南郊外にキキルコ遺跡があるが、年代測定の結果紀元前2100年頃ということが解っている。
さらに、アメリカアリゾナ州の(アカンバロと同じ)山脈中のハバスパイ渓谷には、数千年前川面だった岸壁にティラノサウルスらしい恐竜の壁画が残されている。
同じくテキサス州パラクシー川流域の干上がった石灰岩には、恐竜と人間の足跡が並んで点々と残されている。
論理的な可能性は三つしかない。

  • 恐竜時代に人類もいた
  • 化石から恐竜の知識を得た古代人が土偶を創作した
  • 人類の時代まで恐竜は生き残っていた。


それにしても、恐竜と戯れる人の土偶をみていると、恐竜の概念が根底から覆られそうである・・・。
 

●信憑性


しかし、これらの情報は捏造とする見方が強い。
 

  • 測定された年代はあくまで「素材」の年代に過ぎない
  • 土中の塩分が土偶に付着していないことや
  • 発掘現場を調査した考古学者がはっきりと埋め戻しの跡を確認している
  • 多数存在する土偶の中からたまたま恐竜に 似ていたものを選び出して問題にしている
  • 製作した当時の間違った恐竜観に基づいた土偶が存在する


ただし一点の疑問が残る。
 

  • 3万数千点もの作品を作る暇人はいない

これと似たような恐竜と人間の共存や、驚異的なテクノロジーを示すとされるオーパーツにペルーの「カブレラ・ストーン」や「イカの石」と呼ばれるものがあるが、これは作り方や制作した人物が発覚したため、捏造であることが明らかになっている。

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