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石鹸美人

2013/01/13

●石鹸になったミイラ

 死後数百年経ったいまなお姿を留め、更に全身が石鹸になってしまった女性がいた。
フィラデルフィアにあるマッター博物館に、彼女は保管されている。
 この博物館は、医学研究を目的とした博物館で、館内には無数の人骨が所狭しと並んでいる。
 女性館長は石鹸ミイラについてこう語った。
 「彼女の体全体が石鹸組織として残っています。これは世界的にも大変珍しいケースです」
 このミイラは、下記の特徴を持つ。
  • 全身が茶色に変色
  • 後頭部に金髪が僅かに残っている
  • 口が異様に大きく開かれている
  • 腕から手の間だけ骨が見えている
  • 表皮がめくれた足首から肌色の脂肪(石鹸)組織が見て取れる
  • 身長130Cm程度
 どうしてこのような全身石鹸のミイラ出来たのだろうか。
 館長はこう述べている。
 「彼女は生前、非常に太っていた。
  そのため、脂肪組織がより安定した物質へと変化しています。
  これは、固形石鹸とは違い、脂肪が化学変化を起こして出来たものです。
  脂肪から組成されるロウのような物質で、組織が石鹸と非常に良く似ています。
  部分的にこういった変化を起こす事例は稀にありますが、彼女の場合は全身が変化を起こしているため、永遠に現状を保存することができるのです」

●いまなお残る謎

 彼女の発見は1874年、墓地を移転するために掘りおこされた。
 死亡推定時期は1824年頃との事だ。
 1984年には、トーマスジェファーソン大学でX線撮影が行われた。
  • 推定年齢40歳
  • 死因は黄熱病
  • 脂肪と脳の一部を除き臓器は全く残っていない
  • 顎が壊れているため口が大きく開いていた
  • おそらく生前から歯が無かった
  • 体内に8本のピンが入っている
  • ピンは英国製であれば1924年以前の物
 その結果、上記のようなことがわかった。 
 一体どういった経緯でこのようなことになったのかは謎である。

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