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最古の記憶

2013/01/14

★最古の記憶
体験者:たきおん

「物心がつく」というのは、その人生において最古の記憶がある時期を言うのだろうか。
だとすれば、私が物心ついたのは1歳未満である。
普通、覚えていても4歳、幼稚園の頃ぐらいからだろう。
とても心に残る事件があったわけではない。
それはこんな何気ない日常の風景だった。

ハイハイしている。
視線が異常に低いことから、それはわかった。
実家の1階にある茶の間から、別室につづくふすまへ向かっている。
ふすまの向こうは8畳の部屋。
そのふすまを、片手を使って開ける。
部屋では、出窓に兄が腰掛け、仲間達が対面に座り、なにやら話していた。
柱にかかった時計の秒針のほうを指差し、仲間に向かい、リズミカルにこう言った。
「ちっちっちっちっ、お乳、お乳」
ギャグにすらなっていないような、しょーもない行動であった。
でも仲間達と楽しげに笑っている。

多分聞いた当時は意味が解らず、単なる音として記憶していたのだろう。
後に意味が解り、記憶の中で補完されたのだと思う。

私はこの事は、幼児期に良くある、夢と現実を混同した記憶であると思っていた。
しかし、小学生の頃兄に確認したら、
「よく覚えてるな」
紛れもない事実だったのだ。

・・・あなたの最古の記憶は?

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