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はじめての金縛り

2016/05/14

★はじめての金縛り
体験者:うーろん

 
金縛りって、人からよく聞いていたけど、一度でいいから体験したいと思っていたが、体験してみるともう二度とゴメンだと思った。
あれは10年ほど前、会社の旅行で山陰の温泉に行ったときのこと、至極立派なホテルに泊まった。
5人で一部屋が割り当てられ、新入社員の私は4人の先輩と一晩を共にした。
夜中になって、一人の先輩をのぞき、全員床についた。
その先輩は別の部屋にマージャンをしに行っていた。
私の布団ははその先輩が寝るであろう布団の右横であった。
私以外の人たちはみんな大いびきを立てて寝ており、私はそのいびきで寝付けずにいた。
 
どのくらい経っただろうか、私はいつしかうとうととしていた。
私は普段、うつぶせの体制で寝る癖があり、その晩もうつぶせで、顔を左にして寝ていた。
しばらくして、私の右横から女の子(若いOL風)の笑い声が聞こえてきた。
なんか,女の子二人でじゃれてるような。
私はマージャンをしていた先輩が社内で付き合っている彼女を連れて帰ってきたと思った。
が,なんかちょっと違うなと思った瞬間に、今まで体験したことも無いのに(金縛りが)「来る!」と感じた。
 
それと同時に背中の上に誰かが乗っかってきた。
私は必死になって抵抗しようと思い、腕立て伏せの要領で上半身を上げたが、上に乗っかっている誰かが、私の首の後ろを持って私を床にねじ伏せようとする。
私はピンと腕を突っ張ったまま左横を見ると、私のピンチも知らずに先輩がいびきをたてて寝ている。
私は「助けてくれ!」と大声で叫んだが声が出ない!
(この時は変に感動した。これが金縛りなんだ…と。)
必死に気を静めて考えてみると私の左足と右腕がどうにか動くことに気づいた。
(この間もものすごい力で押されています。)
まず、左足で左横で寝ている先輩を蹴って起こそうとした。が、気付いてくれない。
次に左手で突っ張って、右手で背中をまさぐってみた。
私の右手は誰かの太ももをつかんでしまった。
とても太い太ももであった。
恐らく男であることは間違い無かった。
その瞬間わたしは「もう、いいや!」と言う気持ちになった。
すると金縛りはす-ッと消えた。
気がつくと、私は金縛りになる前の状態で寝ていた。
「こんな部屋では寝てられない!」と思った私はパジャマのまま部屋を飛び出し、マージャン部屋に転がり込んだ。
 
みんなは私の顔を見て「オー」っと驚いた。
何故なら、私の髪の毛は全て逆立っており、天井を向いていたからだ。

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