小説は事実よりも奇なり
2013/01/14
ここに、小説が人命を救った奇妙な話をご紹介しよう。
1882年5月4日、ブラジル軍艦が波間から一つのビンを拾い上げた。
そのビンの中には、古い聖書を破った紙切れにこう書かれていた。
1882年5月4日、ブラジル軍艦が波間から一つのビンを拾い上げた。
そのビンの中には、古い聖書を破った紙切れにこう書かれていた。
”私は「海の英雄号」の2等航海士。乗組員が反乱を起こして船長と1等航海士を殺した。私は船を操縦するため命だけは奪われずにいるが、急ぎ救援願う”
軍艦は、紙に書いてあった方角に向かい、「海の英雄号」を発見、無事2等航海士の救助に成功した。
しかし、2等航海士は「どうして反乱のことがわかったのか???」と不思議顔。
ビンのことも知らないという。
事の顛末はこうだった。
この事件の16年前、「海の英雄」という小説が出版された。
広告方法が独特で、宣伝の為に本文からいくつかの文章を抜き出し、それをビンに入れて海に流した。
この方法で、当時はかなり有名になったとのことだ。
そして現実の船名も、この小説にちなんでつけられたものだった。
このビンは16年間も波間を漂い、同名の船の危機を救ったのだった。
世にも奇妙とは、このことではないだろうか。
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