消えた人々
2013/01/14
●消えた花嫁
それは1973年3月26日の夜、地中海を臨むエジプトのアレキサンドリアで起こった。
新婚のアンワール夫妻が道を歩いていると、突然路面が避けて、妻のメルベットさんが穴に落ちてしまった。
当局はすぐに捜査をはじめたが、水道管が破裂していた報告があったため、水道局の怠慢ということにされた。
現場を堀り起こしたが、遺体もなにも見つからなかったという。
古代遺跡の井戸や貯水槽に落ちたのではないかとされている。
●消えた村人
北カナダのモウンティ町から600キロほど北に、エスキモー村があった。
村人は大人と子どもを合わせても30人ぐらいの小さな村だった。
1930年3月、猟師のジョー・ラベルが騎馬警官隊と共に数ヶ月ぶりにその村を訪れたが、村人が消えてしまっていたという。
中身の入った鍋や毛皮の上着、命よりも大事にしていたライフルまでもが残されていた。
犬は木に繋がれたまま餓死しており、ソリや船も残されていたという。
彼らは一体、何処に行ってしまったというのか。
●目前で消失した男
1880年9月、アメリカのテネシー州メンフィスの牧場で、牧場主ジョー・ガラップは馬を見回りにいくところだった。
家の前では、妻と子ども二人が遊んでいた。
近づいてくる馬車にはジョーと親しい人が二人乗っていたため、ジョーは手を振った。
ジョーが5、6歩歩き始めたとき、信じられないことが起こった。
煙のように彼のからだが薄れ、消えてしまったのだ。
呆気に取られていた人達が正気に戻り、現場をよく調べたが、人が落ちるような穴も崖も無かったのである。
ただ、その付近には直径5mくらいの、枯れて黄ばんだ草の輪があっただけだったという。
●2年間行方不明だった男
1985年8月7日、Kさんは仲間12人と新潟県の西山町へ海水浴にいった。
彼は午後3時ごろに、「もうひと泳ぎしてくる」といって行方不明になった。
しかし2年後の1987年10月13日、家族の元に彼から電話が入った。
「今、沖縄にいるんだ」
迎えに行って訳を尋ねても、
「気がついたら、なぜか沖縄の海の中にいた」
と、2年間の記憶もなく、ただ首をひねるばかりだったという。
●20年後に帰ってきた男
1748年~1764年ごろ、今の滋賀県の八幡に、松前屋市兵衛という反物商がいた。
ある夜、手伝いの女中を連れて厠に行った市兵衛がいくら経っても出てこなかったため、女中は妻と共にかわやを開けた。
しかし、何処にもいなかったのである。
いつしか妻はあきらめ、新しい男と結婚してしまった。
しかし20年後、かわやから人を呼ぶ声が聞こえてきたため戸を開けると、市兵衛が消えたときの服装のまま、そこにいたという。
彼は「腹が減った」といい、見事なくいっぷりを見せたが、暫くすると急に煙っぽくなり、丸裸になってしまった。
衣服がほこりとなって散り失せたのだ。
20年間の記憶もなかったが、普通の生活に戻った彼は、新しい夫と妻の間で、さぞおかしな関係だったに違いない。
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