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夢と現実の境目

2016/05/14

 一人暮しで夜勤の仕事をしていた頃。
 めちゃくちゃな生活リズムで、疲れ気味だった。
 ある時、体は疲れているのに精神だけが研ぎ澄まされ、ベッドで不思議な体験をした。

 その日は夜勤で、15:00には部屋を出なければいけないのだが、なかなか寝つけず、ベッドから首を起こし時計を見ると、10:00頃になっていた。
 「はやく寝なきゃ」気ばかりが焦り、寝つけない。

 すると、不意に金縛りに遭う。
 当時の私はよく金縛りに遭っており、「精神力で解く」という方法を行えるようになっていた。
 いつものように、「精神力で」金縛りを解き、腕を持ち上げた。
 しかし、持ちあがったはずの腕があるべき空間に腕がない。
 腕がそこにある感覚はあるのに、実態はそこになくベッドの上で横になっている。
 いままで感じたことのない奇妙な感覚だった。
 私はあせり、「すぐ起きなければ」という意識がはたらいた。
 そしてがばっと起きあがった瞬間!

 そこは既に夢の中だった。
 自分のものと微妙に違う部屋の造り。
 試しにドアを開けると、マンションの通路が見えるはずなのに、石段がある玄関を見下ろしていた。

 実に奇妙で、面白い体験だった。

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